サルビアの育てかた
 ジャスティン先生は過去を思い出すように遠くを見やる。その瞳の奥からは、悲しみの雫が滲んでいるように見えた。

「僕は思ったよ。絶望的になってしまったら、誰かのそばにいて辛さを爆発させた方が気持ちを落ち着かせられるものなんだと。もちろん一人でストレスを解消できる人もいると思うけど、どうやら君は違うみたいだ。君にとって、素直に甘えられる人がそばにいるのが一番なんだけど……」

 先生は何かを思うように一度言葉を止めて、またすぐに笑顔で口を開いた。

「あっ、ごめんね。無駄話が過ぎたみたいだ」
「いえ、とんでもないです。先生のお話が聞けて嬉しいですよ」

 俺は口角を緩ませる。

「明日も無理せず頑張ろうね。君ならできると信じているよ。……さ、僕はこの後別件で仕事があるから。もう行くよ」
「はい。今日もありがとうございました。お気をつけて」
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