サルビアの育てかた
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その日、更に素敵なことが待っていた。
レイがこの大会で表彰されたんだ。ナンバーワンヒップホップダンサーとして、彼女が人生で初めて一位入賞を果たした。
俺はこの結果を聞き、会場にいる誰よりも大声で歓喜した。彼女のファンたちは一斉に立ち上がり雄叫びのような歓声を上げ、誰も彼もがテンションぶち上げで盛り上がっていた。だが、どの野郎たちにも所詮俺の喜びには敵いはしない。
ステージで表彰されるレイはとても驚いた顔をし、それでいて眩しい笑顔を浮かべた。
俺はステージから離れた場所で見守っていたのだが、彼女の視線がふとこちらに向けられる。にこりと微笑みながら、レイは心の声で話しかけてきた。
(ヒルス。ありがとう)
そう伝えようとしているのが分かる。俺は心の声を彼女に捧げた。
(ありがとうを言わなきゃならないのは俺の方だよ)
レイはステージから立ち去る前に、じっとこちらを見つめて二度頷いた。
──見ている人に勇気を与えてくれる、光のような魔法のダンス。本当に君は、唯一無二の最高のダンサーだよ。