サルビアの育てかた

 身体だけでなく、俺の全細胞が彼女を欲していた。止められない。レイの潤う唇に、俺は何度も何度も熱いキスを重ねていった。
 俺が一方的に彼女へ捧げる愛の音だけが、暗い部屋の中に鳴り響く。

「……あっ。んん……」

 レイの、喘いでいるような吐息が耳の奥を刺激する。エロティックな声に俺の興奮は最高潮となり──それと同時に、ふと我に返った。

(待て……俺は一体、何をしているんだ)

 もしも今、こんな状況で彼女が目覚めたとしたら? 傷つけてしまうことになるんだぞ。
 絶対にダメだ。今は、俺の気持ちを投げかけてはいけないんだ。

 頭では分かっていても、全身の熱が上昇するばかり。未だ眠りながらもどこか色っぽい表情を浮かべるレイを見た瞬間、俺の中にいる魔の心が喚き始めた。
 彼女の身体に触れたい、全てを舐め回したい。そのような、いかがわしいことを考えてしまう。

(やめろ、これ以上そばにいたら俺は間違いなく……)
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