サルビアの育てかた
 そっとベッドから抜け出し、急いでシャワールームへと駆けていく。乱暴に服を脱ぎ捨て、息を荒くしながらシャワーを全身に浴びせた。どうしてもレイのあの甘い唇の感触と、色っぽい声と表情が頭から離れない。
 興奮し続けるこの身体を、呼吸が乱れながらもどうにか落ち着かせようとする。絶頂に達した頃には、全身が熱を帯びて大変なことになっていた。
 賢者タイムに入るなり、俺はたちまち冷静になって考えた。

(もう、これからは同じベッドで寝るのは無理だ。そうじゃないと俺はいつか本当にレイのことを……)

 しばらくシャワールームで蹲り、こんな自分の行動に激しく後悔する。

 ──ごめん、レイ。君が寝ている間に、俺は大変なことをしてしまった。兄にキスをされたなんて、もしも君が知ってしまったら……きっと悲しむよな。傷つくよな。俺のこと軽蔑するよな。 彼女に対する想いを俺自身が知ったとき、自分の中に潜む欲求に負けてしまった。

 本当は今すぐにでも君に打ち明けたいよ。俺は血の繋がりのない兄なんだという事実を。どれだけ君を愛しているのか、彼女に伝えたくて仕方がなかった。
 胸が苦しい。どうしようもないこの状況に、俺は今にも発狂してしまいそうだ。
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