サルビアの育てかた
 本当に感謝しかない。レイを見守ってくれる人がそばにいてくれると俺だって心強いんだ。

「それに、昨日の大舞台にレイが立てたのはフレアのおかげでもあるから。ジェイク叔父さんから話は聞いたよ。本当に、どう礼をすればいいか」

 真面目に俺が話しているところを、フレアは急に不敵な笑みになるんだ。

「今日このあと時間ある?」
「うん、あるけど」
「だったら飲みに行くわよ。この前の約束。あなたの奢りでね」
「……そうだったな」

 大勢での飲み会は大歓迎だが、俺は一瞬自分の財布の中身を心配した。思わず苦笑すると、フレアは口に手を当てて笑うんだ。

「あはは、ヒルス。もしかして本気にしてた?」
「えっ」
「別にあなたの奢りじゃなくていいわよ。レイが一位入賞したお祝いと、あなたが完全復帰できた記念でもあるからね」

 フレアにそんなことを言われ、俺の表情が自然に緩んでいくのが分かった。そういうことなら気兼ねなく参加できる。

「さっきのアクロバット技、すごく綺麗に決まってたわ。さすが、Bボーイって感じよね」
「ああ……でも復帰するのがこんなに遅くなって悪かったよ」
< 408 / 847 >

この作品をシェア

pagetop