サルビアの育てかた
 震えないで。大丈夫。これはただの夢の中。現実でもなんでもないの。怖がる必要なんてない。
 私は強い娘になったから。小さい頃から私にたくさんの愛をくれた、あたたかい人たちのおかげで。
 それに、いつもそばで私を支えてくれる大切なあの人がいてくれる。
 だからこの涙は、流す価値もないんだよ。

 自分の震える体を抱きしめて、私は上を向いた。それなのに、なぜか頬は冷たい雫が滴り続け、止まることを知らないの。
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