サルビアの育てかた
 木々の葉からくぐり抜ける繊細な光が、墓石を美しく反射させた。建てられたばかりの二人の墓は、あまりも眩しすぎる。
 あの日の惨い光景が、一瞬脳裏を過るんだ。

(父さん、母さん……。苦しかったよな。助けてやれなくて、事故を防いでやれなくてごめんな……。どうか天国(あっち)では、安らかに眠ってほしい)

 レイと叔父と並び、俺は天に向かって静かに祈りを捧げた。

 束の間、木の葉が揺れる音だけが響き渡る。
 そんな無に近い空間を最初に破ったのは、呆れた顔をする叔父だった。

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