サルビアの育てかた
 けれど、次のロイの言葉に、俺はまたもや動揺を隠せなくなってしまう。

「ヒルス先生にこんな話をしていいのか分からないんですが」
「どうした?」
「……どうやらボクは、レイさんを好きになったみたいなんです」
「何?」
「正直、彼女の優しさに惹かれています。……先生は許してくれませんよね」

 ひどく真剣な眼差しで俺にそう語るロイは、本当に困った顔をしていた。
 俺だって困る。どう、返答をしたらいいんだ。
 俺の胸の奥が妙な熱さに包囲されてしまい、モヤモヤが止まらなくなった。

 ──ああ、そうだ。これは、嫉妬というものなんだ。
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