サルビアの育てかた
 レイは何かを思うように、じっと俺の顔を見てくる。彼女から大きな瞳を向けられる度に、いちいち俺の心拍数は上がってしまう。

「ヒルス、気にしなくていいんだよ。ここのケーキちょっと高級だから、無理しないでね」
「レイは食べたくないのか」
「ううん。毎日でも食べたいくらいだよ。でもね、せっかくだから特別な日にとっておきたいな」

 ──特別な日。
 俺は一瞬、なんだろうと考える。が、日付を確認するとすぐにその答えが分かってしまった。
 彼女の言う「特別な日」は来月にやって来るんだ。
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