サルビアの育てかた
「俺と?」
「うん。……変かな?」

 レイははにかみながら確かめるように俺に訊いてくるんだ。
 変じゃない。むしろ俺は嬉しい。

『いつも言ってるよ。ヒルスは私の大好きな人だよ』

 彼女から貰ったあの言葉が、俺の頭の中を通過していく。それは別の意味があるんだと、俺はそう理解した。
「大好きな人」と言うのは「大好きなお兄ちゃん」そういう裏の言葉があるはずなんだ。

 年頃の娘が大好きな兄と誕生日を二人で過ごす──ありなのか?
 分からない。全然、分からないんだ。
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