サルビアの育てかた
シスターに案内されたのは、敷地内にある教会だった。昔ながらの立派な教会内は、とても静かで神聖な場所だ。
「院の中はたくさんの子たちがいて賑やかです。なかなかゆっくり出来ないと思いますので、ここで良ければお話を聞きますよ 」
「お気遣いありがとうございます。あの、シスター。突然来てしまってすみません。迷惑じゃなかったですか」
「そんなことありませんよ。来てくれてとても嬉しいです」
そう答えるシスターは癒やされるほどの優しい顔をしていた。
美しく仄かに光を反射させているステンドグラスは、見ているだけで俺の心をじんわり癒しをくれる。その向こう側で、雨がシトシトと降り続ける音が鳴り響いてくる。静かに立ち尽くす祭壇の蝋燭の灯りがゆらゆらと揺れ、俺は少しだけ清らかな気分になるんだ。
「今日はどうしたのですか。レイちゃんに何かありましたか?」
「いえ、レイは元気です。おかげさまで失声症も治りました」
「それは良かった……」
「シスターに訊きたいことがあるんです」
「はい、なんでしょう?」
俺はひとつ間を置いて、息を小さく吸ってから再び口を開いた。
「俺が働くダンススタジオに、ロイ・ウィーカーという少年がいます。シスターはご存知ですよね」
ロイの名を出した時、シスターの耳が一瞬だけぴくりと反応したように見える。笑顔が少しだけ固くなるが、それでもシスターはゆっくり頷くんだ。
「院の中はたくさんの子たちがいて賑やかです。なかなかゆっくり出来ないと思いますので、ここで良ければお話を聞きますよ 」
「お気遣いありがとうございます。あの、シスター。突然来てしまってすみません。迷惑じゃなかったですか」
「そんなことありませんよ。来てくれてとても嬉しいです」
そう答えるシスターは癒やされるほどの優しい顔をしていた。
美しく仄かに光を反射させているステンドグラスは、見ているだけで俺の心をじんわり癒しをくれる。その向こう側で、雨がシトシトと降り続ける音が鳴り響いてくる。静かに立ち尽くす祭壇の蝋燭の灯りがゆらゆらと揺れ、俺は少しだけ清らかな気分になるんだ。
「今日はどうしたのですか。レイちゃんに何かありましたか?」
「いえ、レイは元気です。おかげさまで失声症も治りました」
「それは良かった……」
「シスターに訊きたいことがあるんです」
「はい、なんでしょう?」
俺はひとつ間を置いて、息を小さく吸ってから再び口を開いた。
「俺が働くダンススタジオに、ロイ・ウィーカーという少年がいます。シスターはご存知ですよね」
ロイの名を出した時、シスターの耳が一瞬だけぴくりと反応したように見える。笑顔が少しだけ固くなるが、それでもシスターはゆっくり頷くんだ。