サルビアの育てかた
 ロイ本人は、母親と絶縁することになったのを知った時、初めは戸惑うように泣き喚いていた。しかし、幼いながらも母親に自分が必要とされていないことに薄々気づいていたのだろう。シスターが優しくロイを抱きしめると彼は小さな声で、

「こうやってだれかにギュッとしてもらうの、ぼくはじめてだよ。すごくやさしいきもちになれるんだね」

 この言葉を、シスターは今でも忘れることなく心にしまっている。
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