サルビアの育てかた
 それからシスターは、彼の里親を必死になって探した。
 しかし、ロイ本人は「ずっと孤児院にいたい」と訴え続けていた。
 どうしても彼には親の愛というものを知ってほしいと考えたシスターは、この言葉を重く受け止めなかったのだ。

 神は彼を必ず救ってくださる。シスターは信じていた。

 三組の家庭が里親候補として上がり、そのうち審査が通ったのは裕福なある一組の夫婦だった。その夫婦は子なしで、ずっと子供が欲しかったそうだ。
 面談時、ロイは夫婦の前でずっと笑顔で話をしていた。
 金銭面でも不自由なく暮らしていけるし、きっと良い親子関係を築けるだろう。そう思い、シスターは安心してその夫婦にロイを任せることにしたのである。

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