サルビアの育てかた
「ありがとう、ヒルス。レイにも許可を貰ったら早速契約をさせてもらっていいかな」
「契約?」
「地代の件やどれくらいの期間使わせて貰うかなど色々と決めないといけないからね」
「いえ、先生。お金なんて要らないし、スクールを建てるならいつまででも貸しますよ」

 軽い気持ちで俺が言うと、ジャスティン先生は首を大袈裟に振るんだ。

「何を言うんだよ、ヒルス! 君たちの大切な場所を使わせてもらうんだ。こういうことはしっかりしておかないと」

 先生の目は真剣だった。
 本当にいいのに。ジャスティン先生は真面目だな、なんて思う俺は浅はかだろうか。

 俺が呑気に思っていると、事務室のドアからノック音が響き渡った。反射的に、ジャスティン先生と俺の目はドアの方に向けられる。

 そこから姿を現したのは──レイだった。
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