サルビアの育てかた
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ランチタイムになった。俺は、フレアと共にスタジオ近くのバーガーショップへ訪れた。
俺がバーガーにかじりつく中、向かいに座るフレアは怪訝そうな顔をしてこちらを眺めてくる。
「で? ヘタレヒルス君は昨日、何をやらかしたのかしら」
「ヘタレってなんだよ。それに、俺が何かしたわけじゃない」
「どういうこと?」
「このことは、フレアだから話すけど──」
俺は周りの目を気にしながら、小声でフレアに昨晩の話をした。
「レイが俺の頬に……キスをしてきたんだ」
この一言を聞くとフレアは、顔を覆い隠し大袈裟に肩を震わせるんだ。
「うそ……! まさか、彼女からっ?」
「俺も驚いている」
「うわぁ。恥ずかしくなっちゃう!」
フレアは口に手を当てながら顔を真っ赤にするんだ。
そんなリアクションされるとこっちの方が恥ずかしくなる。未だに俺の頬には、レイの優しいぬくもりが残っているような感覚もあるのだから。