サルビアの育てかた
 一通り興奮したあと、フレアは真顔に戻り、再び口を開いた。

「レイは相当、あなたに惚れているわね」

 はっきりとそんなことを言われてしまっては、上手く否定出来ない。嬉しいような、恥ずかしいような、変な感じがして仕方がなかった。

「昨日二人で出掛けた時も俺の腕を組んでくるし、ショップ店員が俺のことをボーイフレンドと勘違いしてもレイは否定しなかった。……最近、レイの言動がおかしいんだ」
「何がおかしいの?」
「いや、おかしいだろ?」
「まったく、これだから鈍感なイケメンはだめだわ! 誰がどう考えても、レイの言動は恋する乙女がすることでしょう」
「……それは」

 俺だって分かっている。最近のレイの態度には、何か特別な意味があることくらい。

 レイが「大好き」と俺に言ってくれるのも、もはや妹としてではない。いくら「大好きなお兄ちゃん」と俺が頭の中で変換しても、そう捉えるにはどうしても無理がある。レイは一人の女性として、素直な気持ちを俺に投げかけているだけだ。そうでなければ、彼女の言動にどうしても説明がつかない。
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