サルビアの育てかた


『それで、ヒルスはレイちゃんから逃げ出して、わざわざわたしに電話してきたって言うの?』
「ああ。悪いな、フレア」
『はあ……あなたがわたしを頼りにしてくれるのは嬉しいんだけどね。でも、ちょっと今日のヒルスの行動は最悪だわ』
「そんなこと言うなよ」
『どうして好きな子から逃げるのよ』
「どうやってレイと話していいのか分からない」
『だからって、このままレイちゃんを避けるつもり? 傷つけてるわよ。お願いだから、早く部屋に行ってあげて。レイちゃん、きっと寂しがってるわ』
「そうかもしれないけど」
『まったくもう。ちょっとほっぺにチューされたくらいで、そんなにテンパることないじゃない!』
「女はすぐ誰かの頬にキスするものなのか?」
『挨拶で頬にキスする人もいるでしょうが』
「でも、明らかに昨日のキスはそういうものじゃなかったぞ……」
『はぁ……あのね、レイちゃんって男にも女にもモテるのよ。ヒルスがそうやってウダウダしていたら、他の奴に取られちゃうかもよ? そうなったらヒルスは一生後悔するでしょうね』
「それは……。まあ、そうだな。たしかに。レイは皆に好かれているよな」
『あなたの一時的な感情で、取り返しのつかないことにならないように気をつけなさいね。もうこれ以上わたしと話していたって、何も解決もしないし進展もしないから。早く帰ってあげて抱き締めるなりキスしてあげるなりして、とにかくレイちゃんを安心させてあげなさい』
「何言うんだよ」
『じゃあね。切るわよ!』
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