サルビアの育てかた
第六章
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眠れない。同じベッドの中で眠る彼女を横目に、俺は天井を眺めながら考え事をしている。
就寝時間になるとレイは自分の部屋に戻ることはしなかった。頬を赤らめながら「一緒に寝よう」なんて甘えてくるんだ。もちろん、俺は心が飛び跳ねるほど嬉しかった。
「俺、レイのことを大事にしたい」
「……私は、いつでもいいんだよ?」
「こういうのはしっかりしておきたいんだ。大切なことだろう。だから、レイが十八歳になるまで待つよ」
格好つけながら俺はそんな風に言ったが、体だけはウズウズしている。
だけど今の俺なら大丈夫。欲心のまま動くような真似は二度としない。おやすみの前に、彼女と同じベッドで横たわり甘いキスを交わすだけで俺の心は満たされる。今まで言えなかった想いを、やっと伝えられたのだから。
俺が眠れない理由は他にある。先程彼女から聞かされた話を思い出していたからだ。