サルビアの育てかた
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翌朝。ご飯を食べている時のレイはむしろ幸せそうで。俺は複雑な心境になる。
「なあ、レイ」
「なに?」
「……レイの笑顔、俺はすごく好きだよ」
「んん? 急にどうしたの、ヒルス」
レイは目を見開き、ふわふわの卵焼きを食べようとしていたフォークの動きを止めた。
「これからも一緒に笑っていたいし、レイには悲しい思いをしてほしくない。だから俺、今後は気をつけるよ」
「気をつけるって?」
レイは戸惑ったように首を傾げたが、すぐに頷いて優しい笑みを俺に向けてくれる。
「そっか。うん、私も気にしないようにするね」
「え?」
「フレア先生とロイのことでしょう? 昨日は変なことで喧嘩しちゃったから……。私、ヒルスには想いが伝わってないんだろうなって、いつも心のどこかで寂しかったの。だけど、ヒルスはちゃんと分かってくれていたんだよね」
「あっ、いや。それは……」
「フレア先生がいい人だっていうのは私もちゃんと知ってる。いつも気にかけてくれるもの。だからもう、変にヤキモチなんて妬かないからね」
話が逸れてしまっているが、レイが一つ一つの言葉を丁寧に並べているのを聞くと、俺は何も言わずに相槌を打つしかない。