サルビアの育てかた
 俺も、フレアの気持ちは分かる。嫉妬をするのは惨めかもしれないが、俺だって昨日同じ想いをしたばかりで、どうにも止められなくなってしまう。ふとした時に、後悔するのも分かる。だからこそ、俺はフレアを責めたりはしない。

 ストレッチを済ませると、俺はすっと立ち上がり、ポケットに手を入れてフレアを見下ろした。

「そうだな、もう二度とそんなことするなよ」
「ええ、約束するわ……」

 俯くフレアは、気まずそうだ。
 それでも俺はわざと不敵な笑みを浮かべてやった。

「フレア、そんなに俺のこと好きだったのかよ」
「……はあ?」

 パッと顔を上げるとフレアは途端に怪訝な顔になる。

「冗談やめてくれる。もう、あなたなんて別に好きじゃないから!」
「そうムキになるなよ」
「わたしはもう、レイの応援隊なの。……あなたたちが幸せになってくれないと意味ないんだから。そのまま仲良くしていきなさいね」
「ああ、言われなくてもそのつもりだよ」

 これからもフレアとは先輩後輩として、良い関係が築けるんだと確信した俺は、心の底から安心することが出来た。
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