サルビアの育てかた
「あたし、今年は二位だったよ」
「いつも上位で大したもんだよな」
「……でも、今年はレイばかり注目されてるよね」
「いや、まあ、たしかに。レイは初出場なのにトップスリーに入ったから驚かれたんだろ」
「……」

 メイリーは鋭い目つきをしてうつむいた。そっと顔を覗くと──その瞳から大粒の涙がこぼれ落ちていたんだ。

「お、おい。どうしたんだよ。大丈夫か?」
「あたしだって……いつも頑張ってるのに……誰も認めてくれない」
「は? そんなことないだろ。メイリーの実力はジャスティン先生も買ってる」
「でも……」

 涙を拭き取り、メイリーはパッと顔を上げた。

「ヒルスはあたしのこと、どう思ってるの?」
「いや、だからいつもすごいと言っている」
「でも、レイが来てからヒルスはずっとあの子に付きっきりだよね」
「妹だからな」

 俺のその一言に、メイリーは眉間に皺を寄せた。

「……ウソつき」
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