サルビアの育てかた
 普通に生活しているように見えても、彼女の人生は数えきれないほどの複雑な事情がある。
 レイ自身が知らなくとも、生みの親に捨てられた過去はたしかに彼女の身に起きた現実そのもの。
 折角新しい家庭に迎えられて幸せな日々を過ごしていたのに、その大切な毎日はあの大火事によって突然奪われてしまった。その運命は辛く、とても悲しく惨いもの。
 そして義理の兄である俺とこのような関係になったのも、全く後ろめたいわけではないが、マスコミにはきっとおいしいネタにされてしまうのだろう。
 全ての事情は、晒されたりしても何のダメージもない。だけど敢えて知られようとは思わない。これはレイと俺の問題なのだから。
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