サルビアの育てかた
 呆気に取られて目を見張るレイを眺めながら、モラレスはキラキラした声で言うんだ。

「それでレイちゃん。いつからアタシの専属ダンサーになってくれるのかしら?」
「あ、あの……」

 モラレスの眼力は、この上ないほどに強い。
 横目で見ている俺でもさえも圧倒されてしまう。

「モラレスさん、焦らないで。契約するのは彼女が十八歳になってからだよ」
「そうなのー? もう、早く一緒に踊りたいわあ! レイちゃんはあとどれくらいで十八になるのかしら?」
「ええと……あと、半年しないくらいで……」

 レイが珍しく吃ってしまっている。だが、そんな彼女の返事にモラレスは更に顔を輝かせた。

「いやーん。楽しみだわ! ねえねえ、アタシのSNSで新しいダンサーが来ますって報告してもいい?」
「え、あの……」
「一緒に写真撮ってもいいかしら? ほら、笑って。はい。チーズ」
「……」

 勢いが凄すぎる。

 俺もレイも今日は断る気で来たんだ。それなのに、完全にタイミングを逃してしまっている。
 だけど彼女が困っているのを見ると、放っておくことは出来ない。
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