サルビアの育てかた
「あの。ヒルス先生」
「ん?」
「ボクが言うのも失礼かもしれないんですけど……」
「どうした?」

 白のTシャツに着替えてからロイは急に真顔になり、背筋を伸ばして続きを口にする。

「ヒルス先生は心からレイさん想っているんですよね」
「えっ」

 俺は言葉に詰まってしまう。そんな台詞をロイに言われるなんて思いもしなかった。
 ロイは俯き加減になり、小さく拳を握りしめた。

「すみません、ヒルス先生。以前、ボクはあんなことを……。レイさんが好きだなんて言ってしまって。とても失礼でしたよね」
「いや、それは」
「本当に生意気でした。レイさんはいつだってヒルス先生しか見ていません。先生の隣にいる時のレイさんは、他の誰にも見せない優しい笑顔を浮かべています。もちろん、ヒルス先生も同じです」

 俺の顔は、どんどん熱くなっていく。頬もきっと赤くなっているだろう。

「あんな風に言いましたけど、ボクはレイさんとどうこうなりたいとか、そんなことは一切考えていません。ヒルス先生を心から尊敬していますし、レイさんの笑顔も大好きです。だからこそお二人にはこれからも仲良くしていてほしいし、幸せになってもらいたいんです」
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