サルビアの育てかた

 ──本当は身も心もボロボロで、気力もないし、希望もない。
 私は『いらない』と言われたから。何もかも諦めていた。
 それなのに目の前にいるこの人は、どうして『生きて』と私に言ってくれるの? 私のために、なんでたくさん泣いているの?
 分からない。分からないけれど、私はその時こう思ったんだよ。

 こんなにも優しい人がいる世界なら、生きていきたい。愛情を注いでくれる人が一人でもいてくれるのなら、もう少しだけ頑張りたい。

 このまま目を閉じてしまえば自分は今すぐにしんでしまうと、感覚だけでなんとなく分かっていた。
 だけどね、私はもう一度だけ希望を掴もうと思った。どんなに心が凍えていても。体のあちこちが真っ黒で痛みがあっても。胸の上あたりがヒリヒリして熱くてどうしようもなくても。
 この人のおかげで、私は再び「生きる」ことを心に決めた。
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