サルビアの育てかた
 俺はこの日を、ずっとずっと待っていた。レイが大人になる、この日を。
 彼女にそんな言葉を向けられたら、嬉しくて、幸せ過ぎて、彼女のことが尊くて仕方がなくなる。

「俺も同じだよ」
「うん?」
「俺もレイと同じ気持ち。歳を重ねるごとに、どんどん君が愛おしくなる」

 俺はそっとレイの綺麗な髪を撫でる。ほのかに香る彼女の匂いすらも、俺の気持ちを高揚させてしまう。

「ヒルスは、真っ直ぐに気持ちを伝えてくれるんだね」
「レイにだけは、俺の想いをちゃんとした言葉で伝えたいんだよ」

 目を細め、俺をじっと見つめる彼女の瞳は微かに赤く染め上がる。
< 623 / 847 >

この作品をシェア

pagetop