サルビアの育てかた
「レイ?」
「ごめんなさい、ヒルス。恥ずかしいの……」
彼女は一瞬、切ない顔になる。小さく弱々しい声で、胸の奥に秘める悲しみを訴えてきた。
「小さい頃からずっと気にしていたの。私の体には大きなシミのようなものがあるんだよ。私はこのシミが大嫌い。見る度になぜかとても嫌な気持ちになるの。だから……ヒルスにも見てほしくない」
冷たい手に強く握られるように俺の胸は痛くなる。
今まで一度もこの話題に触れたことはなかった。レイがその火傷痕のせいで悩んでいたなんて。
記憶の奥底に潜むトラウマが原因なのかは分からない。一人の女性として、この痕を気にしてしまっているのかも定かではない。
出来る限りの優しい顔を彼女に向け、俺はもう一度レイにキスを落とす。それから、彼女の耳元でそっと囁いた。
「大丈夫だよ、レイ。俺には見せて」
「……でも」
「全部癒すから。俺が、レイの心の傷も全部治してあげる」
うっとりとしたような瞳でこちらを見上げるレイは、世界中の誰よりも美しい。
細くて弱々しいレイの腕をそっと掴み取り、俺はその火傷痕を初めて目に入れる。うっすらと不自然な形で残り続ける茶色い痕は、きっとこの先も消えることはない。
たとえそうだとしても──この俺なら、俺になら、彼女の心に深く残るその苦しみから解放してあげられるのだと信じたい。
「ごめんなさい、ヒルス。恥ずかしいの……」
彼女は一瞬、切ない顔になる。小さく弱々しい声で、胸の奥に秘める悲しみを訴えてきた。
「小さい頃からずっと気にしていたの。私の体には大きなシミのようなものがあるんだよ。私はこのシミが大嫌い。見る度になぜかとても嫌な気持ちになるの。だから……ヒルスにも見てほしくない」
冷たい手に強く握られるように俺の胸は痛くなる。
今まで一度もこの話題に触れたことはなかった。レイがその火傷痕のせいで悩んでいたなんて。
記憶の奥底に潜むトラウマが原因なのかは分からない。一人の女性として、この痕を気にしてしまっているのかも定かではない。
出来る限りの優しい顔を彼女に向け、俺はもう一度レイにキスを落とす。それから、彼女の耳元でそっと囁いた。
「大丈夫だよ、レイ。俺には見せて」
「……でも」
「全部癒すから。俺が、レイの心の傷も全部治してあげる」
うっとりとしたような瞳でこちらを見上げるレイは、世界中の誰よりも美しい。
細くて弱々しいレイの腕をそっと掴み取り、俺はその火傷痕を初めて目に入れる。うっすらと不自然な形で残り続ける茶色い痕は、きっとこの先も消えることはない。
たとえそうだとしても──この俺なら、俺になら、彼女の心に深く残るその苦しみから解放してあげられるのだと信じたい。