サルビアの育てかた
 ……そっか。そうだよね。
 いつも言われてきたよ。ジャスティン先生にもダンス仲間にも、お父さんとお母さんにも。それに、ヒルスにも。
『レイが踊る姿は見ていて楽しい』
『アレンジが素敵』
『綺麗だし、元気をもらえる』
『見ている人を魅了させてくれる』
『レイのダンスには光るものがある』

 そんなたくさんの言葉に支えられてきたはずだよ。一瞬でも忘れていた自分がバカみたい。

 心があたたかくなった。小さく風が吹いて、私たちの周りに心地よさを運んできてくれるの。

「ライクさん、ありがとうございます。嬉しいです」
「おう。これからも頑張ろうな」
「はい!」

 自分でも単純だなって思う。
 だってさっきまで灰色にしか見えなかった町の灯りが、再び癒してくれるようになったから。
 ライクさんの優しさに触れられてよかった。
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