サルビアの育てかた
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バイクに跨り、帰宅途中にマーケットで食材の買い出しを二人で済ませる。
フラットの前に到着する頃になると辺りはすっかり暗くなっていた。
フラットから歩いて一分ほどの距離にある駐輪場にバイクを停め、俺は荷物を両手で抱える。
「私も持つよ」
両手いっぱいに抱えられた袋に手を伸ばそうとするレイから素早く離れ、俺は大きく首を振った。
「これは俺の仕事」
「え? 誰の仕事とかないよ。今日はたくさん買っちゃったし」
「たくさん買ったから俺が持つんだよ」
「でもバイクと車の運転もいつもヒルスの仕事になっちゃってるよね?」
「それはいいんだ。運転するのは嫌いじゃないからな」
「ヒルスばっかり負担かかってるよね」
「そんなことない。レイはいつも美味しいご飯を作ってくれるだろう」
彼女となにげない会話をしているうちに、ふとしたことが頭の中を過る。
(俺たちって兄妹とか恋人というより、なんだか夫婦みたいじゃないか……?)
そう思うと、俺は一人で照れてしまい、顔が赤く染まっていくのを感じた。
レイから目を逸らし、夜空を眺める。星ひとつ見えない生憎の天気だった。
彼女と夫婦のようなやり取りを続けていると、あっという間にフラットが見えてきた。