サルビアの育てかた
 スクールやスタジオに通う生徒やインストラクターたちは、一人ひとりがジャスティン先生にとって大切な仲間。その仲間を傷付けたメイリーの行動は、先生にとっても許し難いことなのは明白だ。
 心優しい先生だからこその言葉だったと俺は思う。

 そしてメイリーが出した答えは──ダンススクールを、辞めることだったんだ。


 ──俺はその話を聞いた時、メイリーに一切の同情すらもしなかった。
 今までたくさん苦労して大変だったのは分かる。無我夢中で懸命にダンスの練習をしていたのを俺も見てきた。好成績を出しているのに両親に認めてもらえなかったのもさぞ辛かっただろう。

 でもだからといって、他人に嫉妬して誰かを傷つける真似をするなんて絶対に許されないんだ。
 俺もジャスティン先生と同じ。こんなにも事態を大ごとにされ、メイリーを許してやろうなんて一生思えない。
 嫉妬に狂い、誤った道を進んでしまったあの女とは、この先二度と会うこともない。
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