サルビアの育てかた
 数日後。
 俺は郊外の公園でレイと一緒にのんびり休日を過ごしていた。
 二人とも帽子を深く被り、サングラスなどを掛けて可能な限り素顔を隠す。こうでもしないと、気軽に町中なんて歩けない。色々と都合が悪いんだ。
 風が吹くたびに落ち葉が舞い散り、身震いしそうな気温だが、レイが握ってくれる手のおかげで俺は寒さなんて忘れられる。

 一ヶ月後、俺は男として決める。モラレスさんのおかげで指輪を用意することも出来た。
 プロポーズをするまで、大切なものは絶対にレイに見られてはならない。コートの内ポケットに彼女への贈りものをしっかりしまって、肌見離さず持ち歩くようにしている。

 あとはシチュエーションを考えなければならない。どうしようか。
 王道なのは、洒落たレストランに連れていくプランだ。もしくは夜景の綺麗な所で決行するか。それとも思い出の場所がいいのか? 海ならレイも好きだし、夕陽が沈む頃なら雰囲気も最高だ。
 今の俺は完全に浮かれている。
 早く彼女に伝えたい。プロポーズの言葉を。ここはシンプルに「結婚しよう」とか、「俺の奥さんになってくれ」と言うのが良いのだろうか。
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