サルビアの育てかた
 ──ヒルスはその日から、私を抱いてくれなくなった。愛を重ねてくれなくなった。手を握り締めることさえも、しなくなった。
 いつだってヒルスは、私の肌に優しく触れてくれた。とても濃厚な愛撫をしてくれて、私は幸福と絶頂に包まれる。何度だって彼と交わりたい。
 だけど私が決意したことは、それら全てを手放さなければならなかった。

 私たちはこれからも二人きりの家族。あなたと私は血の繋がらない兄妹。
 その関係のままでいればいいと、どうにか自分に言い聞かせる。大丈夫って思わないと駄目なの。

 あなたは今まで私にたくさんの幸せをくれた。世界一大切な人。大好きで、心から愛してる。だから私は、あなたを守る為にこの関係を終わらせなきゃならない。

 だって私は、悪魔の子だから──。
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