サルビアの育てかた
「あの、ヒルス先生」

 唖然とした顔で、ロイが俺の顔を覗いてきた。

「すまん、何だ?」
「顔が泣きそうになってますよ。あまり悩みすぎないでください」
「……そうだな」

 ロイは、本気で俺を心配したような口振りだ。

(俺はどこまで駄目な奴なんだ……)

 何だか急に恥ずかしくなった。この感情を抑えつけるようにフレンチフライを一つまみする。

「みんなが俺たちを支えてくれたのに、何だか申し訳なくて」
「何が申し訳ないんですか?」
「俺とレイはもう終わりかもしれないからな」

 俺が弱音を吐くと、ロイの表情が見る見る暗いものに変わっていく。眉を八の字にして、語尾を強くした。

「レイさんのこと、諦めてしまうのですか」
「いや、諦めるというよりも、レイが将来を考えられないならいつかは終わりにしないとならないだろう。それに、俺たちはあくまで義理の兄妹だ……」
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