サルビアの育てかた
ロイの表情と話しかたで、相手が誰なのか俺は察した。
「シスターか」
「はい。今日は孤児院に泊まりに行くんです。何時頃来るのかって。早めに来るなら、夕食の準備手伝えって言うんですよ。全く、シスターに都合よく使われてますよ」
故意に表情を無にしているようだが、ロイの声だけは明るく聞こえた。そんな様子を見て、俺は何だかあたたかい気持ちになる。
「ロイ」
「はい」
「楽しそうで何よりだ。幸せか?」
「……そうですね、否定はしません。ボクには、帰れる家がありますから」
どことなく照れたように視線を逸らすロイは、本当にいい顔をしていた。
俺もその時、自然と心が和んだ。