サルビアの育てかた
──闇の世界で独りぼっち。
気がつくと、彼女と赤子の姿が見えなくなってしまっていた。
だけど途切れ途切れに叫ぶ声だけは響き渡っているんだ。
地獄のような時間は、夢の世界ではまるで無限のよう。
涙を流したくてもそれすら許されない空間で、俺は突然何かの気配を感じ取る。
目を開け、両手をそっと耳から離してゆっくり背後を振り向いてみた。
そこには見知らぬ女性が──いや、俺がよく知っている人が立っていたんだ。
「……リミィ」
夢の中でいつも俺の隣にいた妹が、今日も現れる。不思議なことに、この時だけはその姿がはっきりと認識出来た。
黒い髪の毛を一つに結んでいて、何とも優しい顔をしていた。白いワンピースを着ていて清楚な印象だ。
ああ、そうか。妹が大人になったらこんな風に成長していたんだな。
俺の顔をまじまじと見つめてくる妹の瞳は、何となくレイに似ている気がした。
こちらに一歩二歩近づいてくると、俺の前に座り込んで目線を合わせてくる。そして急に笑顔をなくし、大きな声を出すんだ。
「お兄ちゃん」
「……何だ?」
「この、ヘタレ!」
「は?」
妹は頬を膨らませ、乱暴に言葉を投げつけてきた。何も言えずに俺が唖然としていると、構うことなく妹は鋭い目つきで睨んでくる。
気がつくと、彼女と赤子の姿が見えなくなってしまっていた。
だけど途切れ途切れに叫ぶ声だけは響き渡っているんだ。
地獄のような時間は、夢の世界ではまるで無限のよう。
涙を流したくてもそれすら許されない空間で、俺は突然何かの気配を感じ取る。
目を開け、両手をそっと耳から離してゆっくり背後を振り向いてみた。
そこには見知らぬ女性が──いや、俺がよく知っている人が立っていたんだ。
「……リミィ」
夢の中でいつも俺の隣にいた妹が、今日も現れる。不思議なことに、この時だけはその姿がはっきりと認識出来た。
黒い髪の毛を一つに結んでいて、何とも優しい顔をしていた。白いワンピースを着ていて清楚な印象だ。
ああ、そうか。妹が大人になったらこんな風に成長していたんだな。
俺の顔をまじまじと見つめてくる妹の瞳は、何となくレイに似ている気がした。
こちらに一歩二歩近づいてくると、俺の前に座り込んで目線を合わせてくる。そして急に笑顔をなくし、大きな声を出すんだ。
「お兄ちゃん」
「……何だ?」
「この、ヘタレ!」
「は?」
妹は頬を膨らませ、乱暴に言葉を投げつけてきた。何も言えずに俺が唖然としていると、構うことなく妹は鋭い目つきで睨んでくる。