サルビアの育てかた
だけど──帰る前に一つだけ知りたいことがあった。俺は一度妹の方に目線を移し、静かに口を開く。
「なぁ、訊いてもいいか」
「うん?」
「君はどうして、レイのことをそこまで気にかけてくれるんだ?」
「えっ」
突然の質問に、妹は目を見開いた。そして、当然のように答えるんだ。
「どうしてって……わたしの妹だからだよ」
あまりにも自然に放たれたその言葉に、胸が更に熱くなった。
「レイはね、希望の光なんだよ」
妹はあたたかみのある笑みを浮かべて語り紡ぐ。
「わたしは生まれる前にこっちに来ちゃったから、パパとママをすごく悲しませたの。ちゃんと生きられなかったから、二人のことを沢山泣かせちゃったんだ。何年経ってもパパとママは立ち直れなかったみたいでね、わたしすごく心配になったし、ごめんなさいっていつも謝ってた」
妹の瞳は、切なさの色で染められている。
「だけどレイと出会ってから、パパとママは本当に幸せそうに笑うようになった。二人が家族の時間を増やすようになったのを見てね、安心したんだよ。やっと……悲しみの沼から抜け出せたんだって」
この感覚は何だろう。話を聞いてるうちに、俺の心がキュッと掴まれるような不思議な感じがした。
「レイがいてくれたおかげで、家族は明るくなった。わたしが出来なかったことをレイが代わりにたくさんしてくれたから、パパもママも立ち直れた。だから、レイはわたしにとっても希望の子なんだよ。あの子が家族の形を作ってくれた。パパとママを救ってくれたの」
瞳を潤わせながらも、妹は柔らかい表情を崩さない。
そんな妹を見て、俺はそっと頭を撫でた。
「そうだな……そのとおりだよ。レイは皆に光を与えてくれるんだよな」
俺が優しくそう言うと──突然妹の顔から笑みが消える。唐突に俺の手を強い力で掴み取り、怪訝そうな表情を浮かべた。
「ちょっとお兄ちゃん」
「何?」
「やめてくれる?」
「……えっ」
妹は顔を真っ赤に染め、俺の手をさっと振り解く。
「もしわたしが生きていたら、今頃いい歳なんだよ! そんな妹の頭撫でる兄なんてマジキモいんですけど!」
「はあ? 何だ、そこまで言うか?」
頬を膨らませる妹を前に俺は少し引き気味でありながらも、ふと気づいた。
──ああ、そうか。これが兄妹ってやつか。
「なぁ、訊いてもいいか」
「うん?」
「君はどうして、レイのことをそこまで気にかけてくれるんだ?」
「えっ」
突然の質問に、妹は目を見開いた。そして、当然のように答えるんだ。
「どうしてって……わたしの妹だからだよ」
あまりにも自然に放たれたその言葉に、胸が更に熱くなった。
「レイはね、希望の光なんだよ」
妹はあたたかみのある笑みを浮かべて語り紡ぐ。
「わたしは生まれる前にこっちに来ちゃったから、パパとママをすごく悲しませたの。ちゃんと生きられなかったから、二人のことを沢山泣かせちゃったんだ。何年経ってもパパとママは立ち直れなかったみたいでね、わたしすごく心配になったし、ごめんなさいっていつも謝ってた」
妹の瞳は、切なさの色で染められている。
「だけどレイと出会ってから、パパとママは本当に幸せそうに笑うようになった。二人が家族の時間を増やすようになったのを見てね、安心したんだよ。やっと……悲しみの沼から抜け出せたんだって」
この感覚は何だろう。話を聞いてるうちに、俺の心がキュッと掴まれるような不思議な感じがした。
「レイがいてくれたおかげで、家族は明るくなった。わたしが出来なかったことをレイが代わりにたくさんしてくれたから、パパもママも立ち直れた。だから、レイはわたしにとっても希望の子なんだよ。あの子が家族の形を作ってくれた。パパとママを救ってくれたの」
瞳を潤わせながらも、妹は柔らかい表情を崩さない。
そんな妹を見て、俺はそっと頭を撫でた。
「そうだな……そのとおりだよ。レイは皆に光を与えてくれるんだよな」
俺が優しくそう言うと──突然妹の顔から笑みが消える。唐突に俺の手を強い力で掴み取り、怪訝そうな表情を浮かべた。
「ちょっとお兄ちゃん」
「何?」
「やめてくれる?」
「……えっ」
妹は顔を真っ赤に染め、俺の手をさっと振り解く。
「もしわたしが生きていたら、今頃いい歳なんだよ! そんな妹の頭撫でる兄なんてマジキモいんですけど!」
「はあ? 何だ、そこまで言うか?」
頬を膨らませる妹を前に俺は少し引き気味でありながらも、ふと気づいた。
──ああ、そうか。これが兄妹ってやつか。