サルビアの育てかた
 俺は今までレイの義理の兄として過ごしてきたが、兄妹らしくないことばかりしてきた。だから、本来妹にどう接していいのかなんて知る由もなく、いつもの癖で頭を撫でてしまった。
 冷静に考えれば普通の兄妹はこういうことをしないのかもしれない。妹の言うとおり、俺の浅はかな行動はちょっとキモいと言える。

 自分の言動を振り返ると、俺はおかしくなってしまい笑いが止まらなくなった。

「……お兄ちゃん、何笑ってるの?」
「はは……。いや、別に。リミィの言ってること、間違ってないなぁと思ってな」

 しばらく笑いが止まらない俺のことを、妹は目を点にしながらじっと眺める。

 落ち着いてから、俺は静かに口を開いた。

「ありがとう、リミィ。兄妹ってこういうものなのかって思ったら楽しかったよ」
「……うん、そう?」

 どこかはにかみながら、妹はこくりと頷く。

「俺たちは生まれた瞬間から別々の世界にいるけど──リミィはいつまでも俺の大事な妹だからな」
「え……? お兄ちゃん。何言うの、急に……」
「感謝してるんだぜ。弱っていた俺を助けに来てくれたんだよな。良い妹に見守られて幸せ者だ」
「そんなの、お兄ちゃんの為だけじゃないもん。レイに悲しい想いさせたくなかっただけ」

 目をわざと逸しながらも、妹の口調は優しさで溢れていた。
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