サルビアの育てかた
『よかった、間に合って』

 あたたかみのある声色だ。

『ヒルス、私の手を掴んで』

 俺の前に片手を差し出す影色の彼女の指先は、とても綺麗だった。

『帰ろう。あなたなら戻れるから。絶対に手を放さないでね』
「ああ。レイと一緒なら、もう大丈夫」

 彼女の細くて柔らかい手をしっかりと握り締めた。その瞬間に、俺たちの全身が眩しい光に包み込まれる。
 フワフワとした不思議な感覚。
 いつしか視界の全てが真っ白に染め上がり、俺は気づかぬうちに意識の奥底から抜け出していったんだ──
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