サルビアの育てかた
レイが見せたいというものは、どうやら自宅にあるらしい。
家に着くなり、レイは興奮気味に俺に向かって手招きをする。
「ヒルス、見て見て!」
バルコニーを指差す彼女に続いて、俺は窓から外を見てみた。
そこには変わらず父から受け取った赤い花たちが、寒さに負けず元気に咲いている。だけどそのすぐ隣に見たことのない色で咲く『サルビア』が、堂々たる姿で植えられていたんだ。
「これは……」
俺は目を見開き、外に出て『サルビア』たちを眺める。
「新しい苗を植えたのか?」
あまりにも美しい色の花が咲いているものだから、俺は柄にもなく見惚れてしまう。
レイは優しい顔で首を横に振るんだ。
「違うの。全部、お父さんからもらった『サルビア』から採れた種でずっと育てているんだよ。それなのに、白い花を咲かせたの」
赤に囲まれた花の中に、ひとつだけ白く輝く『サルビア』。それは、陽が沈んでいても綺麗に光を放っていた。
「不思議だよね。お母さんのお花もそうだし、お父さんから貰った『サルビア』も魔法を持ってるみたいだね」
「ああ……そうだな。愛情がたくさんつまった、不思議な力なのかもな」
レイが大切に育ててきた『サルビア』の花を眺めるだけで、心が穏やかになる。
父や母のものだけじゃない。彼女も、俺に癒やしを与えてくれる大きな魔法をたしかに持っているんだ。
家に着くなり、レイは興奮気味に俺に向かって手招きをする。
「ヒルス、見て見て!」
バルコニーを指差す彼女に続いて、俺は窓から外を見てみた。
そこには変わらず父から受け取った赤い花たちが、寒さに負けず元気に咲いている。だけどそのすぐ隣に見たことのない色で咲く『サルビア』が、堂々たる姿で植えられていたんだ。
「これは……」
俺は目を見開き、外に出て『サルビア』たちを眺める。
「新しい苗を植えたのか?」
あまりにも美しい色の花が咲いているものだから、俺は柄にもなく見惚れてしまう。
レイは優しい顔で首を横に振るんだ。
「違うの。全部、お父さんからもらった『サルビア』から採れた種でずっと育てているんだよ。それなのに、白い花を咲かせたの」
赤に囲まれた花の中に、ひとつだけ白く輝く『サルビア』。それは、陽が沈んでいても綺麗に光を放っていた。
「不思議だよね。お母さんのお花もそうだし、お父さんから貰った『サルビア』も魔法を持ってるみたいだね」
「ああ……そうだな。愛情がたくさんつまった、不思議な力なのかもな」
レイが大切に育ててきた『サルビア』の花を眺めるだけで、心が穏やかになる。
父や母のものだけじゃない。彼女も、俺に癒やしを与えてくれる大きな魔法をたしかに持っているんだ。