サルビアの育てかた
「わたしはレイちゃんを虐待の果てに捨てた親を絶対に許す気はありません。あともう少し見つけるのが遅ければ、あの子はすでにこの世にはいなかったでしょう。我が子を瀕死の状態にしておいて全く反省もしない母親など、親ではありません。ただ子供を生み落としただけの生き物だと思っています。そのような仕打ちをした人間には、必ず天罰が下ります」
温厚なシスターが、厳しい口調になっていた。
「……このようなことから、わたしはレイちゃんには誰よりも幸せになってほしいと神に祈り続けました。ですが、感情を表に出せない赤ちゃんの里親を探すのは容易ではありません。なかなか新しい家族が見つからないまま、レイちゃんは二歳になりました。その頃に、あなたのお母様が初めてわたしの孤児院に訪れてきたのですよ」
シスターは俺の顔を見て、また優しい表情に変わる。
「お母様ははじめ、院内の子供たちをただ黙って眺めているだけでした。しかし、レイちゃんを見つけると、お母様は彼女に近付いてこう言ったのです。『とても可愛らしい子ですね』と。あの優しい眼差しをしていたお母様の顔を、わたしは今でもはっきりと覚えています」
温厚なシスターが、厳しい口調になっていた。
「……このようなことから、わたしはレイちゃんには誰よりも幸せになってほしいと神に祈り続けました。ですが、感情を表に出せない赤ちゃんの里親を探すのは容易ではありません。なかなか新しい家族が見つからないまま、レイちゃんは二歳になりました。その頃に、あなたのお母様が初めてわたしの孤児院に訪れてきたのですよ」
シスターは俺の顔を見て、また優しい表情に変わる。
「お母様ははじめ、院内の子供たちをただ黙って眺めているだけでした。しかし、レイちゃんを見つけると、お母様は彼女に近付いてこう言ったのです。『とても可愛らしい子ですね』と。あの優しい眼差しをしていたお母様の顔を、わたしは今でもはっきりと覚えています」