サルビアの育てかた
 暗い気持ちでしばらく蹲っていると、背後からスクールのドアが開く音がした。

 夜遅いはずなのに誰だろう。ジャスティン先生かな。
 そう思い、おもむろに音の方を振り向いた。

「レイか……?」

 表情がよく分からなくても、驚いているのが伝わってきた。
 相変わらず自慢のサングラスをかけていて、真冬でも構わずにがっしりした腕をむき出しにしているライクさんがいた。二年前よりもタトゥーの数が増えている気がする。

「久しぶりだな、レイ。こんなところで何してるんだ?」
「……」

 二年経っても変わらない声に安心したのか、私の沈んだ心が少しずつ落ち着いていく。それと同時に、素直な気持ちを口にせずにはいられなくなった。

「……お腹が空きました」
「えっ?」
「足も疲れました。助けてください……ライクさん」

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