国の擬人化達との同居生活
でも―――今のあの顔を、放っておくのは違う気がした。
教科書を引っ張り出して、百年戦争について調べる。
今、どんな気持ちでいるんだろう。もし一人で泣いていたら、どうしよう。
そう考えたらソワソワしちゃって、教科書を読む手は進まないのに、時計の針はどんどん進んでいく。
足音を殺して、廊下を進む。
一階のリビングでは笑い声が聞こえる。
薄暗い廊下の一番奥、フランスくん&イタリアくんの部屋の前で立ち止まった。
(どうしよう、、、)
ノックするか迷う。
ただの心配だって言ったら、笑われるかもしれない。
呼吸も止めて、ドアに耳傍を立てる。
ガラッ!
ちょうど同じタイミングで、ドアが開いた。
「うわっ!菜羽ちゃん!?」
「あ、、、あはは」
びっくりして、その場で腰を抜かした。
「大丈夫?」
「う、うん!」
中に入ると、フランスくんは窓辺に座った。
カーテンの隙間から月の光が差して、横顔だけが白く浮かんでいる。
「さっきは、ごめんね。心配して様子見に来てくれたんでしょ?」
少し笑いながらそう言ったけど、その声はどこか掠れていた。
「あの、、、」
言葉が詰まった。
何て声をかけたら良いのか、分からなかった。
だって、フランスくんは寂しそうな目をしていたから。
「俺は、、、おかしいね」
それは。
私が何か言うより先に、フランスくんは続ける。
「捕虜にされた味方を、助ける手立てなどない。数え切れない程、俺は沢山の人を切り捨てた。そうして、ここまで大国としてのし上がったのに――」
そう言って、フランスくんは肩を震わせる。
「俺はきっと、生きてる世も、見てる景色も、まるで違う」
悲しそうに、笑った。
結局。その日は何も言えなかった。
翌日、珍しくフランスくんが早めに起きた。
「フランスー、今日は早いんだぞ」
ベーコンを焼いていたアメリカくんが不思議そうに声をかける。
「いや〜、今日は俺出掛けるからさ」
フランスくんは長い髪を少しボロいリボンでポニーテールに結う。
あれ、今日は三つ編みじゃないんだ、、、。
「そのリボン、随分とボロいんだぞ」
「ん、、、あぁ、そうだね。いつもはジュエリーボックスに入れているから、これでも持ってる方」
アメリカくんは「へー」と、さして興味がなさそうな返事をしながら、お皿の上にパンケーキとカリカリベーコン、スクランブルエッグにフルーツを盛り付ける。
「できたんだぞ〜」
笑顔のアメリカくんが、コップに注いだ牛乳とチョコを混ぜてチョコミルクを作る。
「休日のアメリカの朝ご飯なんだぞ!」
フランスくんはちらりと時計を見てから朝食をチョコミルクで流し込み、素早く用意して何処か出掛けて行った。
時間がヤバかったのかもしれない。
「菜羽」
アメリカくんがフォークをクルクル回しながら声をかけてきた。
「今日のフランス、なんか変だったんだぞ」
「、、、うん」
アメリカくんはパンケーキをフォークで突きながら、眉をひそめた。
「あいつ、たまに妙に静かになるんだぞ」
「え?」
思わず問い返すと、アメリカくんは頬杖をついた。
「前にイギリスと喧嘩した時もいつもの調子で軽口叩いてたのに、急に黙って出て行ったんだぞ。数時間で戻ってきたけど」
アメリカくんがそう言うのを聞きながら、胸の奥がざわつく。
もしかして、昨日の話が関係しているんじゃないか――そんな気がした。
「、、、どこに行ったんだろうね」
呟くように言うと、アメリカくんは肩をすくめる。
「フランスのことだから、教会か美術館か、もしくは、、、カフェかもしれないな!」
「いや、最後のは違うと思うけど、、、」
教科書を引っ張り出して、百年戦争について調べる。
今、どんな気持ちでいるんだろう。もし一人で泣いていたら、どうしよう。
そう考えたらソワソワしちゃって、教科書を読む手は進まないのに、時計の針はどんどん進んでいく。
足音を殺して、廊下を進む。
一階のリビングでは笑い声が聞こえる。
薄暗い廊下の一番奥、フランスくん&イタリアくんの部屋の前で立ち止まった。
(どうしよう、、、)
ノックするか迷う。
ただの心配だって言ったら、笑われるかもしれない。
呼吸も止めて、ドアに耳傍を立てる。
ガラッ!
ちょうど同じタイミングで、ドアが開いた。
「うわっ!菜羽ちゃん!?」
「あ、、、あはは」
びっくりして、その場で腰を抜かした。
「大丈夫?」
「う、うん!」
中に入ると、フランスくんは窓辺に座った。
カーテンの隙間から月の光が差して、横顔だけが白く浮かんでいる。
「さっきは、ごめんね。心配して様子見に来てくれたんでしょ?」
少し笑いながらそう言ったけど、その声はどこか掠れていた。
「あの、、、」
言葉が詰まった。
何て声をかけたら良いのか、分からなかった。
だって、フランスくんは寂しそうな目をしていたから。
「俺は、、、おかしいね」
それは。
私が何か言うより先に、フランスくんは続ける。
「捕虜にされた味方を、助ける手立てなどない。数え切れない程、俺は沢山の人を切り捨てた。そうして、ここまで大国としてのし上がったのに――」
そう言って、フランスくんは肩を震わせる。
「俺はきっと、生きてる世も、見てる景色も、まるで違う」
悲しそうに、笑った。
結局。その日は何も言えなかった。
翌日、珍しくフランスくんが早めに起きた。
「フランスー、今日は早いんだぞ」
ベーコンを焼いていたアメリカくんが不思議そうに声をかける。
「いや〜、今日は俺出掛けるからさ」
フランスくんは長い髪を少しボロいリボンでポニーテールに結う。
あれ、今日は三つ編みじゃないんだ、、、。
「そのリボン、随分とボロいんだぞ」
「ん、、、あぁ、そうだね。いつもはジュエリーボックスに入れているから、これでも持ってる方」
アメリカくんは「へー」と、さして興味がなさそうな返事をしながら、お皿の上にパンケーキとカリカリベーコン、スクランブルエッグにフルーツを盛り付ける。
「できたんだぞ〜」
笑顔のアメリカくんが、コップに注いだ牛乳とチョコを混ぜてチョコミルクを作る。
「休日のアメリカの朝ご飯なんだぞ!」
フランスくんはちらりと時計を見てから朝食をチョコミルクで流し込み、素早く用意して何処か出掛けて行った。
時間がヤバかったのかもしれない。
「菜羽」
アメリカくんがフォークをクルクル回しながら声をかけてきた。
「今日のフランス、なんか変だったんだぞ」
「、、、うん」
アメリカくんはパンケーキをフォークで突きながら、眉をひそめた。
「あいつ、たまに妙に静かになるんだぞ」
「え?」
思わず問い返すと、アメリカくんは頬杖をついた。
「前にイギリスと喧嘩した時もいつもの調子で軽口叩いてたのに、急に黙って出て行ったんだぞ。数時間で戻ってきたけど」
アメリカくんがそう言うのを聞きながら、胸の奥がざわつく。
もしかして、昨日の話が関係しているんじゃないか――そんな気がした。
「、、、どこに行ったんだろうね」
呟くように言うと、アメリカくんは肩をすくめる。
「フランスのことだから、教会か美術館か、もしくは、、、カフェかもしれないな!」
「いや、最後のは違うと思うけど、、、」