婚約破棄したいなら、それなりの努力をなさいませ?
「そこは愛の力で頑張っていただくってことで。
ほら、ミオナ様は愛の人みたいなので、エディール様との愛を貫くためにとか言えばその気になってくれるのでは?」

「確かに…。でも教育係を誰に頼めば…」

「それは…ユリア様が教育係になるのはいかがでしょう?」

「私ですか!?」

あ、あからさまに嫌そうな顔。
だよねー。

「他の人に頼むより話は早そうですよ。
もちろんユリア様お一人だと大変でしょうから、他にもメンバーをそろえていただいて…。
その役割はエディール王子に頼めば大丈夫でしょう。
エディール様も最愛のミオナ様のためなら、最高の面子を揃えてくれそうですよね」

「ええ…。そういうことならエディール様もできると思います…。
だとしても、ミオナ様は男爵令嬢で、王家との交流はほとんどありません。
婚約者候補になれるでしょうか…」

不安そうなユリア。

「もし失敗したら、それこそミオナ様から一生恨まれそう。
私がわざと教育に手を抜いたとか一生言われるのは本当に勘弁して欲しいですわ…」

それは地獄だな。

「あとは…私が最後の一押ししますから。
一応私聖女なので、発言力はあると思うんです。
ミオナ様の深い愛情を褒めたたえて、エディール王子と結婚すれば愛の力で国に幸せをもたらすとか言っとけば、国王様も無視できないかと。
まぁ…幸い第二王子ですからなんとかなるのでは…」

「本当に大丈夫でしょうか…」

不安そうなユリア。
ミオナに一生祟られるのは怖いよね。

「大丈夫!聖女の私を信じてください!これからユリア様をお支えしますから!」

私は再びユリアの手を取った。
なんか、放っておけなくなっちゃったんだよね。
ってか、人としてユリアのこと好きになっちゃったんだな。

「ありがとうございます…!聖女様!」

うん。いい笑顔だよ!
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