婚約破棄したいなら、それなりの努力をなさいませ?
「じゃぁもう逃げるしか…」

「私も逃げられるものなら逃げたいですわ。
でも、ミオナ様から度々詰め寄られ、エディール様からは泣きつかれ、逃げたくても逃げられない状況なんですの…」

ユリア疲れてる…。
そりゃそうだ。
こんなめんどくさいカップルと関わり続けたら、ストレスMAXになるよね。
かわいそう…。なんとかできないかな…。

「聖女様…もしかして私のために考えてくださってるのですか?」

「え?ええ…。だってあまりにもユリア様が気の毒すぎて…」

「ありがとうございます…!」

なんと、ユリアの目がうるうるしてる!

「お気持ちだけで嬉しいです。感動です」

ああ…苦労人なんだなぁ。
真面目で聡明そうだから、一生懸命なんとかしようと頑張っちゃうんだろうなぁ…。
なにか良い手は…。

そうだ!

「もうこうなったら、ミオナ様をエディール様の婚約者候補に鍛え上げるというのはいかがでしょう?」

「で、できるでしょうか…?」

「まぁ…問題はたくさんありそうですけど…。
エディール王子とミオナ様が相思相愛なのは間違いないんですよね」

「ええ…」

「ならば、ゴールインしてハッピーエンドが理想だと思いませんか?
今からでもミオナ様にはお勉強を頑張っていただいて、国王様に一目置かれる存在になれば、可能性はゼロじゃないと思います」

「そうでしょうか…。でも、ミオナ様はかなり非常識…いえ、勢いのあるお方で、失言ばかり…いや…つい正直なお気持ちが口に出てしまうところがありますわ…」

苦悩するユリア。
きっと今までミオナのとんでも言動を何度も見てきたんだろうな。
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