婚約破棄したいなら、それなりの努力をなさいませ?
「ミオナ様…まさか自己紹介もせずに聖女様をお連れしたんですか…?」

疲れた声を出したのは、今までずっと黙っていたユリアだ。
だよねー。普通自己紹介するよね。

「私はミオナ:アルゾフです。
そんなことより!ユリア様を説得してください聖女様!」

アルゾフは確か男爵家…。
悪役令嬢物でヒロインの位がギリギリ貴族設定って王道よね!

「ミオナ様、無礼ですよ」

短く指摘するユリア。
確かに。
私一応聖女だよ?「そんなことより!」はないよなぁ。

「ほらぁ!こうやってユリア様がイジワルするんです!」

「いや正当な指摘でしょ」

思わずボソリと呟いてしまう私。
ミオナはユリアを悪役令嬢に仕立て上げるために、わざと「イジワル」を連発しているんだな。

「だ、だからって!愛し合う私とエディール様の仲を引き裂くのは酷すぎませんか!?」

ミオナはウルウルと瞳を潤ませた。
おっと、泣き落とし作戦か!?
ここでアホ王子がヒロインを庇いに入るのが王道よね!

「ああ…泣かないでミオナ…」

案の定、ミオナに寄り添うエディール王子。
こうやってエディール王子をたぶらかしているんだな。
予想を裏切らない展開!燃えるわっ!

「エディール様は私のこと好きですよね…?」

ついにシクシク泣き出したミオナ。

「もちろん、大好きだよ」

オロオロしながら愛の言葉を恥ずかしげもなく伝えるエディール王子。
こんなシーンを見せられたユリアは…。

無の表情をしているーーーーー!!!
怒りとか悲しみじゃなくて虚無!!!
ってか、心底呆れてる?
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