婚約破棄したいなら、それなりの努力をなさいませ?
「エディール王子とユリア様は仲良しなのですね。
それって恋愛感情ではく友情ってことですか?」

「ずいぶんストレートな質問ですね…」

だって大事なことじゃない?

「友情というか、家族みたいな感じですわ。
エディール様と私は同い年ですが、僭越ながら弟のように思っていますの」

そうなの!?

「親しかった王子が突然現れた格下令嬢にないことないこと吹き込まれて豹変し、冷たくされたり悪女だと罵られたりという展開は…」

「なんの話です?」

「な、なんでもありません!」

いかんいかん。
期待を裏切られたショックで本性が出てしまう。
気をつけなきゃ。

「じゃあ、ユリア様がエディール王子にイジワルしているというミオナ様の主張は誤解?」

「ええ。完全なる誤解。勘違いですね」

「ミオナ様が誤解しているふりをして、ユリア様を悪役令嬢にしようと…」

「ですから違いますって」

じゃあ…もしかして…。

「ユリア様のイジワル発言は天然…?大好きなエディール王子を守りたい一心での善意の発言ってことですか!?」

沈鬱な表情でうなずくユリア。

まーじーかーーーーー!!!
あれ、本気の善意と正義感と親切心と思いやりってやつーーーーー!?

思わずミオナの方を見てしまった。
ミオナはエディール王子と何やら話をしている。
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