【番外編】孤高の弁護士と誓いの光 — 未来へ紡ぐ約束
ソファの上で寄り添っていると、静かな時間がしばらく続いた。
ぬくもりを感じながら、互いの体温が混じっていくような、落ち着いた空気が流れる。
すると、隼人がふと顔を上げて言った。
「明日、休みでしょ。……だからさ、ちょっとだけ飲まない?」
紬は目を丸くして振り向く。
「え? 甘えるんじゃなかったの?」
「うん、甘えるよ。でも……赤ちゃんじゃないから、俺」
そう言って、隼人はすっと立ち上がり、食器棚からグラスを二つ取り出す。
「隼人がいいなら、いいけどさ」
紬がそう言いながら肩をすくめると、
――(赤ちゃんって言われたこと、絶対気にしてるでしょ。いや、むしろ赤ちゃんすぎでしょ)
と笑いそうになるのを堪えた。
隼人は冷蔵庫を開け、ワインのボトルと、個包装のチーズを取り出す。
その手際はどこか嬉しそうで、鼻歌でも歌い出しそうな軽さがあった。
リビングのテーブルにグラスとワインを並べると、静かにワインを注ぎ、一杯を紬に手渡す。
「乾杯」
グラスとグラスがふれあう軽やかな音が、部屋に小さく響く。
一口飲んでから、隼人がぽつりと口を開いた。
「……甘えようと思ったけどさ、なんかもう、満足しちゃった。紬がずーっと、甘やかす目で見てくるから」
「甘やかしてって言ったの、そっちじゃん」
紬が小さく笑いながら言うと、隼人もふっと微笑む。
少しの間、ワインを傾けながら過ぎた時間の静けさを楽しんでいると、隼人がふと口にした。
「あの新人くんさ……紬が俺と付き合ってるって、知らないの?」
「佐藤くんね。うん、いずれは知るとは思うけど、特に言ってないよ」
グラスを傾けながら、隼人は真っ直ぐ前を見つめたまま、低く、静かな声で続けた。
「……佐藤くん、紬のこと、好きだと思うよ」
紬は軽く肩をすくめながら言う。
「まあ、先輩として懐いてくれてるとは思うけどね」
「いや、違うな。あの目は……」
隼人の声には、確信のようなものが滲んでいた。
「そう?」
とだけ返す紬に、隼人はわずかに口角を上げながら呟いた。
「……次、佐藤がこっちに来たら、釘刺そうかな」
「ちょっと! 絶対やめてよ。佐藤くん、センシティブボーイなんだから」
紬が慌てて止めに入ると、隼人は急に声色を変えて、拗ねたように甘えた声で言う。
「俺だって、センシティブボーイ……」
思わず吹き出しそうになった紬は、グラスを置いて、隼人の頭を軽くぽんぽんと撫でた。
「はいはい、世界一繊細な弁護士さん。ちゃんと甘やかしてあげますよ」
ぬくもりを感じながら、互いの体温が混じっていくような、落ち着いた空気が流れる。
すると、隼人がふと顔を上げて言った。
「明日、休みでしょ。……だからさ、ちょっとだけ飲まない?」
紬は目を丸くして振り向く。
「え? 甘えるんじゃなかったの?」
「うん、甘えるよ。でも……赤ちゃんじゃないから、俺」
そう言って、隼人はすっと立ち上がり、食器棚からグラスを二つ取り出す。
「隼人がいいなら、いいけどさ」
紬がそう言いながら肩をすくめると、
――(赤ちゃんって言われたこと、絶対気にしてるでしょ。いや、むしろ赤ちゃんすぎでしょ)
と笑いそうになるのを堪えた。
隼人は冷蔵庫を開け、ワインのボトルと、個包装のチーズを取り出す。
その手際はどこか嬉しそうで、鼻歌でも歌い出しそうな軽さがあった。
リビングのテーブルにグラスとワインを並べると、静かにワインを注ぎ、一杯を紬に手渡す。
「乾杯」
グラスとグラスがふれあう軽やかな音が、部屋に小さく響く。
一口飲んでから、隼人がぽつりと口を開いた。
「……甘えようと思ったけどさ、なんかもう、満足しちゃった。紬がずーっと、甘やかす目で見てくるから」
「甘やかしてって言ったの、そっちじゃん」
紬が小さく笑いながら言うと、隼人もふっと微笑む。
少しの間、ワインを傾けながら過ぎた時間の静けさを楽しんでいると、隼人がふと口にした。
「あの新人くんさ……紬が俺と付き合ってるって、知らないの?」
「佐藤くんね。うん、いずれは知るとは思うけど、特に言ってないよ」
グラスを傾けながら、隼人は真っ直ぐ前を見つめたまま、低く、静かな声で続けた。
「……佐藤くん、紬のこと、好きだと思うよ」
紬は軽く肩をすくめながら言う。
「まあ、先輩として懐いてくれてるとは思うけどね」
「いや、違うな。あの目は……」
隼人の声には、確信のようなものが滲んでいた。
「そう?」
とだけ返す紬に、隼人はわずかに口角を上げながら呟いた。
「……次、佐藤がこっちに来たら、釘刺そうかな」
「ちょっと! 絶対やめてよ。佐藤くん、センシティブボーイなんだから」
紬が慌てて止めに入ると、隼人は急に声色を変えて、拗ねたように甘えた声で言う。
「俺だって、センシティブボーイ……」
思わず吹き出しそうになった紬は、グラスを置いて、隼人の頭を軽くぽんぽんと撫でた。
「はいはい、世界一繊細な弁護士さん。ちゃんと甘やかしてあげますよ」