【番外編】孤高の弁護士と誓いの光 — 未来へ紡ぐ約束
隼人は、嬉しそうに微笑むと、紬の髪にそっと手を伸ばし、さらりと撫でる。
そのまま頬にふわりと優しいキスを落とした。

「……隼人、大人モード入った?」

紬がからかうように尋ねると、隼人は肩をすくめて、半分笑いながら返した。

「まだベビモード」

「ベビモードってなにそれ」と紬が吹き出すように笑うと、隼人も小さく笑いながら、グラスを指先で回した。

「……今日の昼、本気で嫉妬したんだよ。あいつが説明に詰まったときさ、紬に“助けて”みたいな目してて」

「それは仕方ないでしょ」と紬は、あきれたように言う。
「怒鳴られてもほったらかしにするセンシティブボーイとは違うの、私は」

「それ……前に謝ったじゃん」

隼人が少しむくれながら言い返すと、再び、今度はおでこにそっとキスを落とす。
優しくて、確かで、少しだけくすぐったいその温度に、紬の唇がほころぶ。

「ふふっ……そうだね。でも、最後はちゃんと助けてくれた」

「……一生かけて、償うし」

真面目にそう言った隼人の目を見て、紬はふと、胸の奥があたたかくなるのを感じた。

「一緒にいてくれるだけで十分だよ」

そう答えると、隼人は嬉しそうに微笑んで、そっとグラスをテーブルに置いた。
そして、何も言わず、ただしっかりと、紬を腕の中に抱きしめた。

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