【番外編】孤高の弁護士と誓いの光 — 未来へ紡ぐ約束
外はすっかり日が落ち、夜風がビルの隙間を抜けていく。

最寄り駅の改札を出たとき、紬は自分がいつもより歩くのが遅いことに気づいた。
身体が重い。
足が前に出ない。
頭の奥が鈍く痛み、視界の端が何度も揺れる。

(だいじょうぶ……あと少し)

家はすぐそこだった。
エントランスの鍵を開け、エレベーターを待つ間、つい壁にもたれてしまう。

ようやく部屋の前に辿り着き、ドアに鍵を差し込んだその瞬間――

「――っ」

重い荷物のように、全身の力がふっと抜けた。
一歩、靴を脱ごうとしたそのとき、目の前の視界が真っ暗になった。

ガシャンッ――!

玄関に倒れるように崩れ落ちた音に、リビングの奥からバタバタと足音が聞こえてくる。
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