【番外編】孤高の弁護士と誓いの光 — 未来へ紡ぐ約束
帰宅してすぐ、隼人は紬をそっとベッドまで導いた。
点滴を受けたことで、さっきまでのふらつきや息苦しさはだいぶ和らいでいるようだったが、それでも身体にはまだ熱がこもっている。

「紬、横になってて」

言いながら、掛け布団を捲って紬を寝かせると、彼女は細い腕を伸ばして隼人の手をぎゅっと掴んだ。

「……隼人、ずっとそばにいて?」

か細く揺れる声に、隼人はすぐに頷いた。

「うん、もちろん。……今、飲み物だけ持ってくるから。ちょっとだけ待ってて」

そう言って手を離し、ヘッドボードに体を預ける紬を一瞥する。
その表情は少し和らいでいて、熱のせいか頬がわずかに紅を差している。

隼人は静かに寝室を出た。

廊下のカーテン越しに、外の空がぼんやりと白み始めているのが見えた。
深夜の長い緊張が、ようやく夜明けを迎えようとしている。

キッチンに立ち、カップに白湯を注ぎながら、隼人は思った。

――彼女のために、何ができるだろう。
何をしても足りない気がして、それでも、そばにいることだけは手放したくなかった。

マグカップを持って、再び寝室へと向かう。

そこには、まだ少し苦しげな寝息を立てながらも、安心したようにまどろむ紬の姿があった。

「……戻ったよ」

そう呟くように言って、隼人はそっとベッドの縁に腰を下ろした。
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